解決すべき問題点
近年の働き方改革や労働環境改善が求められる中、当該工場では建物の構造上や設備の制約により、全体空調機器を導入することが困難な環境にあった。夏場は工場内に熱がこもりやすく、作業員の体力消耗や熱中症リスクが高まっていたため、現地環境に適した実効性のある暑熱対策が急務となっていた。
取り組みのプロセス・苦労した課題等
全体空調の設置が難しい条件に対し、当社は工場内の空気の停滞を防ぎ気流を作り出すため、壁面に大型の給気用有圧換気扇を取り付け、外気を強制的に取り込む送風ラインの構築をご提案した。
しかし、本施策にあたっては以下の課題が生じた。
●外気温度による冷却の限界: 給気ファンによる送風は工場内の空気循環や排熱には有効であるものの、猛暑日においては高温の外気をそのまま取り込んでしまうため、給気だけでは作業エリアの温度を下げることに限界があった。
●屋外環境への配慮(施工面): 外気を取り込むにあたり、雨水の浸入防止や屋外景観・耐久性に配慮した専用フードの設置など、建屋構造に合わせた追加工事の検討が必要であった。
そこで当社は、換気設備単体での解決にこだわらず、「工場全体の空気循環」と「作業員のピンポイント冷却」を組み合わせたトータルな環境改善案を整理した。
最終的な解決策と顧客のベネフィット
壁面への「大型給気有圧換気扇(屋外フード付き)」の施工と、作業位置への「スポットクーラー」の併用設置というハイブリッドな暑熱対策をご提案・導入した。具体的なベネフィットは以下の通り。
●工場内の空気循環と熱だまりの解消:大風量の給気有圧換気扇により、これまで熱が滞留していた工場内に力強い空気の流れを作り出し、建物全体の換気能力と空気循環環境を飛躍的に向上させた。
●猛暑日にも対応する実効性の高い暑熱対策:基本の換気(有圧換気扇)で全体の熱を逃がしつつ、外気温が高い猛暑日には作業位置のスポットクーラーを併用することで、作業員へダイレクトに冷風を届ける環境を構築。熱中症リスクを大幅に低減させた。
●現場環境に応じた施工とイニシャルコストの抑制:建屋全体の大型空調工事を回避し、既存設備を活かした現地施工(有圧換気扇+スポットクーラー)で対応したことで、導入コストを最小限に抑えつつ、現場の状況に最も即した暑熱対策を実現した。