解決すべき問題点
当該食品工場では、既設の冷却設備(チラー)の老朽化が進んでおり、それに起因するトラブルが生産体制やコスト管理において重大な支障をきたしていた。
具体的には、古い設備機器での故障や不具合が多発し、その都度「製造ラインの停止」や「サービス部隊の緊急出動」を余儀なくされていた。さらに、一部系統の不良によって稼働中の他の機器へ負荷が集中するという悪循環が生じ、設備全体に大きな負担がかかる状態が続いていた。
この他機器への負荷増大に伴って設備全体の消費電力が急増し、契約電力を超える「デマンド超過」が発生。電気料金の基本契約上昇のリスクも含め、生産の安定性とエネルギーコストの両面から、抜本的かつ早急な対策が強く求められていた。
取り組みのプロセス・苦労した課題等
本プロジェクトにおいては、単に同容量の大型チラーへ入れ替えるだけにとどまらず、工場のBCP(事業継続計画と)中長期的なコスト削減を高い次元で両立させるシステム構築が必要不可欠であった。課題となったのは以下の3点である。
・抜本的な省エネ化の実現: 消費電力が増加している既存システム全体を見直し、最新の高効率機器への更新によってデマンド超過を抑制し、省エネ化を図ること。
・機器停止に対するリスクヘッジ: 新たな冷却系統を増設・再編するにあたり、万が一いずれかの機器に不良が発生しても、製造ライン全体が完全に停止して原材料が無駄になるような事態を防ぐバックアップ体制を組み込むこと。
・保守・サービス体制の改善: 24時間稼働を視野に入れた工場であるため、トラブル発生時に迅速な対応が可能であり、かつ将来にわたって安定した部品供給を受けられる、信頼性の高いメンテナンス体制を確保すること。
当社は、お客様の現場状況やご要望をヒアリングした上で、最適なシステムの検討を進めた。1台の大型機器で更新するよりも、複数台を連携させる「モジュール型」へ移行し「冷却系統を分割」することが、リスク分散と省エネに最も効果的であると判断。数ある選択肢の中から、優れた台数制御技術を持つダイキン工業株式会社製「ヘキサゴン」をご提案した。また、高額な初期費用を抑えるため、利用可能な設備補助金の情報提供を行い、導入を後押しした。
最終的な解決策と顧客のベネフィット
ダイキン工業株式会社製モジュールチラー「ヘキサゴン」への更新、および冷却系統の分割・再構成により課題を包括的に解決した。
・「ヘキサゴン」の優れた省エネ制御によるデマンド超過の解消:
独自の「運転効率優先制御」により、複数台の中で最もエネルギー効率が良い組み合わせでシステムが自動運転を行うため、大幅な省エネを達成。デマンド超過を解消した。また、事前にご案内した補助金を活用できたことで、初期費用のユーザー負担を大幅に削減した。
・「モジュール分散」による完全停止リスクの回避:
冷却系統を複数に分割し、さらに機器内部も独立したモジュール構造としたことで、万が一の一部不具合時にも「バックアップ運転機能」が作動。ラインの全面停止や原材料の廃棄リスクを劇的に低減させた。また「ローテーション制御」によりシステム全体の長寿命化も実現した。
・メーカー直結のサポート体制による安心感の獲得:
ダイキン工業株式会社の強固なサービス力をメンテナンス体制を組み込むことで迅速なトラブル対応や安定した部品供給が可能となり、工場運用における中長期的な不安を解消した。