事例紹介

空調冷凍ソリューション

ピンポイント冷却の最適配置により、コスト抑制と倉庫内の熱中症対策・生産性向上を両立した事例【スポットエアコン】

解決すべき問題点

大型物流倉庫は、天井が高く広大な空間であることに加え、屋根が金属製の軽い「折板屋根」の一層構造となっていることが多い。断熱対策が不十分な折板屋根は、夏場の直射日光によって屋根自体の温度が60℃から70℃近くまで上昇し、そこから発生する激しい輻射熱(放射熱)が天井から作業床面へと降り注ぐため、夏場は室温が容易に40℃近くまで上昇するという問題を抱えていた。
このような過酷な高温環境は、作業員のモチベーション低下や集中力散漫による作業効率の低下を招くだけでなく、最悪の場合は熱中症による救急搬送リスクなど労働安全衛生上の大きな課題となっていた。
さらに同社では、近日中に新たな設備機器(自動化マテハン機器等)の導入を控えており、機器の稼働に伴う排熱が加わることで、現場の熱環境がさらに悪化することが予想されていた。そのため、限られた予算の中で、人と現場の安全を守るための実効性のある暑さ対策が急務となっていた。

取り組みのプロセス・苦労した課題等

当初、顧客は倉庫全体の空調化も検討したが、対象が大型倉庫であるために建屋全体の空気の体積(容積)が極めて大きく、全体を冷やすためには数千万円規模の莫大なイニシャルコストと、毎月膨大なランニングコスト(電気代)がかかることが判明し、コスト面が大きな壁となっていた。
また、物流倉庫の構造上、トラックからの荷物の搬出入が頻繁で大型シャッターの開閉が多いため、せっかく冷やした空気が外部へ逃げてしまい、全体空調ではエネルギー効率が極めて悪いという課題もあった。さらに、新設備の導入や季節ごとの荷動向に応じて作業エリアや検品台の位置が変わるため、壁掛け等の固定式エアコンや工場扇(扇風機)だけでは、将来的なレイアウト変更や作業エリアの移動に柔軟に対応できない点がネックとなっていた。
そこで当社は、ただ冷房機器を販売するのではなく、折板屋根からの熱の伝わり方や倉庫内の「人の動線」、および「新設備の排熱位置」を綿密に調査。空間全体を冷やすのではなく、「働く人とその空間」に絞った局所的な対策の検討を進めた。

最終的な解決策と顧客のベネフィット

作業員が常駐する梱包スペースや検品台、および新設備周辺の熱だまりゾーンに的を絞り、倉庫全体ではなく対象エリアをピンポイントで冷却できる移動式の高効率「スポットエアコン」を複数台導入し、最適な配置で分散設置する提案を行った。具体的なベネフィットは以下の通り。

・劇的なコスト削減: 大型の空間全体を冷やす空調設備を選定した場合と比較し、初期費用を大幅に抑え、月々のランニングコストも必要最小限の稼働に留めることで大幅なコスト削減を実現した。

・労働環境の改善と生産性の向上: 折板屋根からの激しい輻射熱を遮るように涼しい風を作業員へ直接届けることで、夏場の作業効率低下やミスを防ぎ、生産性の維持向上につながった。

・労災リスクの低減と人材の定着: 熱中症による労働災害リスクを極限まで下げることで企業としてのBCP(事業継続計画)を果たし、同時に「涼しく快適に働ける職場環境」が構築されたことで、パートタイマーや派遣社員の離職防止、安定した人材確保に大きく寄与した。

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