解決すべき問題点
自動車部品メーカーの工場において、既設の空調設備では冷房効率が低く、工場全体を均一に冷やすことができない状況であった。特に製造ライン周辺では人の滞在時間が長く、夏場は作業環境の悪化や生産性低下、熱中症リスクの増加が懸念されていた。また、既設機は10年以上経過しており、消費電力が高く、電気代の負担が大きいことも課題となっていた。全体空調では効率が悪く、「冷えないのにコストがかかる」という非効率な状態の改善が求められていた。
取り組みのプロセス・苦労した課題等
単純な機器更新では課題解決に至らないと判断し、まず製造ラインのレイアウトと作業者の滞在位置をヒアリング。人が集中するエリアを特定し、「必要な場所に効かせる」空調設計へと方針を転換した。その上で、工場の天井高や空間特性、作業内容を踏まえ、最適な能力・機種の選定を実施。過不足のない能力設定と気流設計により、効率的に冷気が届く配置を検討した。さらに、既設機種と現行機種の消費電力を比較し、電気代削減効果を数値で可視化することで、投資対効果を明確化した。これにより、「どの機器をどこに設置すべきか」を設計レベルで整理した提案を行った。
最終的な解決策と顧客のベネフィット
ダイキン工業株式会社製業務用エアコンを導入し、作業者が集中するエリアに最適な能力・機種を選定した上で重点配置することで、効率的に温度低下を実現。従来のように工場全体を無理に冷やすのではなく、必要な箇所に冷気を届けることで、作業環境の改善と体感温度の向上につながった。また、高効率機種の採用により消費電力が削減され、電気代の低減も実現。さらに、最適な機器選定により過剰能力や不足能力を排除したことで、安定した運用と無駄のないエネルギー使用が可能となった。結果として、「快適性」と「コスト削減」を両立した空調改善事例として高い評価を得た。