解決すべき問題点
ジビエ(獣肉)を高品質で流通させる食肉加工業者において、処理頭数の増加に伴い既設の小型プレハブ冷凍庫(約1坪)では保管能力が不足していた。品質維持のため、捕獲後1時間以内の搬入・50分以内の枝肉加工など厳格な工程管理を行っており、保管工程でも温度管理の精度と即時運用が求められていた。一方で、早急な増設が必要であるにもかかわらず、通常のプレハブ冷凍庫では施工期間を要し、立ち上げまでの時間が課題となっていた。
取り組みのプロセス・苦労した課題等
当初はプレハブ冷凍庫の増設を想定していたが、ユーザーから「短期間で設置し、すぐに使用したい」という強い要望があり、施工期間の短縮が最大の制約条件となった。そこで、据付工事を最小限に抑えつつ、必要な庫内容量と温度性能を確保できる代替案を検討。海上輸送用の20フィート冷凍コンテナにダイキン工業株式会社の「冷凍ZEAS」を組み合わせることで、短納期・即時稼働を実現できる構成を選定した。また、品質管理の観点から、庫内温度の安定性や霜・蒸気の発生状況についても比較検討を行った。
最終的な解決策と顧客のベネフィット
20フィート冷凍コンテナに「冷凍ZEAS」を搭載した冷凍庫を導入することで、短期間での設置と即時運用を実現し、増加する処理量に対応した保管能力を確保した。さらに、ホットガスデフロスト方式により蒸気発生が抑制され、従来発生していた段ボール箱上面の結氷や湿潤が軽減。これにより出荷時の箱交換作業が不要となり、作業効率の向上という副次的効果も得られた。加えて、庫内温度の安定性向上により品質管理レベルも維持され、事業拡大と品質確保を両立する設備として評価を得た。
※ホットガスデフロスト方式
冷凍機内部で発生した高温ガス(約60℃)を利用し、内部から霜を溶かす除霜方式。一般的なヒーター式(約200℃)と比較して蒸気の発生が少なく、庫内温度の上昇を抑えながら除霜が可能なため、結露や霜付着の低減、保管物への影響軽減に寄与する。