事例紹介

フッ素コーティング剤

スリット刃自動セット不良の撥油性改善による生産性向上ソリューション

解決すべき問題点

鋼材(ロール材)のスリット加工を行う顧客企業では、スリット刃の自動セット(スライド式)時に、刃の側面に付着した油分の影響により隣接する不要な刃までが追随してしまい、セット位置がずれてしまうという問題が発生していた。このため、人手による修正作業が必要となり、自動化の目的が十分に果たされず、生産効率の低下と作業工数の増加が問題となっていた。

取り組みのプロセス・苦労した課題等

この相談に対し、当社ではフッ素塗膜の持つ撥油性に着目。スリット刃側面への塗布を想定したフッ素コーティング剤サンプルを提供し、顧客企業の実機にて評価を実施した。初期評価では、油の付着を抑えることで刃の追随が改善され、自動セットも安定し高く評価された。一方、時間経過とともに効果が薄れ、性能の持続性に課題があることが判明。塗膜そのものではなく、塗布前の下処理工程に問題がある可能性が浮上した。

最終的な解決策と顧客のベネフィット


顧客企業との綿密な打合せおよび現地調査を行った結果、塗膜前の脱脂・汚れ除去といった下処理が不十分であったことが原因と判明。改めて正しい下処理の重要性と施工手順を説明し、再度サンプルを提供のうえ評価を実施した。これにより、塗膜の性能が十分に発揮され、持続性が大幅に向上。スリット刃の自動セット不良は大幅に減少し、自動化の本来の目的を達成することができた。結果として、生産性の向上と人手修正の削減による作業効率の改善に貢献。顧客企業からは、製品の提供だけでなく、工程の改善まで踏み込んだソリューション提案について、高い評価をいただいた。

●フッ素コーティング剤 『フロロサーフ』 製品ページ
https://www.kyokutos.co.jp/product/list/tabid/458/pdid1/54/Default.aspx

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