解決すべき問題点
近年の気温上昇に伴い、工場内の室温は年々上昇しており、特に機械が密集する環境では空調機の設置が困難であるため、熱中症リスクの低減が急務となっていた。加えて、労働安全衛生法の改正により、事業者には熱中症予防を含めた労働環境整備の重要性が一層求められており、現場としても具体的な対策の必要性が高まっていた。一方で、対策にあたっては施工面積に制約があり、かつコスト抑制も求められていた。一般的な空調設備や遮熱塗料による対策は、工事費込みで遮熱シートの約3~5倍の初期費用が想定されるほか、電気代などのランニングコストも継続的に発生するため、費用対効果の高い対策手法の選定が課題となっていた。
取り組みのプロセス・苦労した課題等
顧客要望である「限られた面積で最大効果」と「コスト抑制」を両立するため、まず熱の侵入経路を整理し、日照面積・日照時間ともに大きい天井面を最優先と判断した。また側面についても全体施工ではなく、外気の影響を受けやすい通路側のみに限定することで、効果とコストの最適化を図った。対策手法としては、空調機、スポットクーラー、遮熱塗料、遮熱シートを比較検討したが、空調機・スポットクーラーは電気代が継続的に発生し、遮熱塗料は耐用年数が約10年で再施工が必要となる。一方、遮熱シートは屋内施工であれば理論上半永久的に効果が持続し、ランニングコストも不要である点を評価し採用に至った。これらの検討は、単なる温度対策にとどまらず、法令対応も含めた安全配慮の観点からも重要な判断となった。
最終的な解決策と顧客のベネフィット
温度上昇への影響が最も大きい天井および一部側面に対し、約140㎡の遮熱シート施工を実施。施工範囲を絞ることで初期投資を抑えつつ、効果の最大化を実現した。施工後の比較では、仕様が近い未施工工場と比べ、冬場において7~9℃程度温度が高い状態が確認され、熱の出入りが抑制されていることが実証された。これにより、夏場は外部からの熱侵入抑制、冬場は内部熱の保持という年間を通じた温度安定効果が期待できる。また、空調設備と異なり電気代が発生せず、遮熱塗料のような再施工も不要であるため、長期的なトータルコスト低減にも寄与している。さらに、熱中症リスク低減という観点からも、従業員の安全確保と法令対応の両立に資する施策として評価されている。
●EMW遮熱シート『G-Ⅰ』『G-Ⅱ』製品ページ